白い仔馬のおはなし

白い仔馬のおはなし

人間が産まれる時に神様は真っ白な子馬を一頭授けてくださるそうです。
その子馬は赤ちゃんを背中に乗せて、片時も離れずに一緒に大きくなっていきます。
いつしか赤ちゃんは大人になり、白い子馬も大人の馬になりました。
大人になった私達は寝食を忘れ一生懸命に働き、頭は常に様々な問題のことで一杯になり
自分自身の体のことは何も分からずに過ごすようになってしまいました。
白い馬はどうしているでしょう・・・

真っ白だった毛並みは乾燥して汚れ、体は肋骨が浮き出るようにやせ細っています。
漆黒の水々しかった瞳は光を失い、それでもただただ忠実に私達を背中に乗せ、そのやせ細った身体で精一杯歩いています。
白い馬は多くの事を望んではいません。
規則正しく食事をもらえること。
ほんの少し新鮮な空気の下で運動をさせてもらうこと。
そして時々でいいので毛並みを撫でてもらえたら・・・それだけで十分なのです。

私達は白い馬がどんな状態でも、私達を背負い歩いてくれることが当たり前と思い、白い馬の姿が見えなくなってしまいました。
馬が真っ白な子馬だったころを思い出してみましょう。
たった一頭の大切な馬です。大切にしてあげましょう。

施術者としていつも思うことは、赤ちゃんを望まれている多くの方に、もっとご自分の体を良いコンディションに整えてもらいたいという気持ちです。
根本的な土台が崩れていては、最先端の治療を受けられても受胎することは難しいのではないかと思います。
また、本来は自然治癒力という素晴らしい力を皆持っているはずですが、この自然治癒力が弱まっている方が多いと感じています。
赤ちゃんを授かることがゴールではありません。
妊娠中から産後まで、赤ちゃんと共に元気に過ごせることが目標です。
赤ちゃんを望まれる期間にはタイムリミットがあります。今、気付いた時点から取り組んでほしいです。
鍼灸治療でなくても構いません。
ご自分の体質に合っている養生法などを取り入れながら、妊孕力を上げていかれることを願っています。